築地市場営業権組合からのお知らせ
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築地市場営業権組合速報! №3

   動画でわかりやすく解説しております

  新・卸売市場法は、国会で既に可決され令和2年6月21日から施行される。それに対応しなければならない為に、東京都の卸売市場に関する条例もこの秋に都議会で議決され改変になる運びにある。

現行の卸売市場法は、昭和46年に制定され、99・04年の部分改正を経て今日に到る。築地〜豊洲に移転して、場所と施設が変われども、私たちが毎日の仕事を変わらずに続けて来られた事を支えている存在である。

今回の改変で、83条あった内容が19条になった。この大幅な変化が、市場で働く私たちにどのように関わるのか、まだ想像が難しいかもしれない。しかし間もなく、慣れ親しんだ道は失われ、作り変えられる事は確かな事実であるから、注意せずにいられない。

 「オレ達は築地から豊洲への引越しも乗り越えられたのだから、もうなんて事ないさ」、とは思えないのは杞憂だろうか。引越しをして今日まで頑張れるのは、場所・構造的に不満こそあれ、私たちの「仕事のやり方(朝セリ場に行けば魚に出合える事、買える事)」が変らないためだ。これは現行の卸売市場法に則った卸売市場制度がもたらす現象なのだ。 という事は、この私たちの基盤になる法律の変化は、私たちの仕事の変化も余儀なくする事だ。(更に時期を同じく、食品衛生法の改正も行われる事も要注意)。不満や批判の多い豊洲市場であるが、よく見るとしっかりとこちらの新法律に向かって設計されている事を考え合わせると、現場からの築地市場的な意見や批判は一切受け付けないのはその為だったのか、と合点がいく。

 報道もなく、説明会もない、この国の法律、地方自治体の条例の改定作業。否、何もなくはない、東京都のホームページには条例改正委員会の資料などが公表されている。しかし何のために、どうして、どの様に変えるのか。いつ誰が変えるのか、それを一部の役人・識者・理事だけの雲の上の操作で、結果を押し付けられるだけでいいのだろうか?これは、法律違反をしたい訳ではない、国政に反旗をひるがえすのが目的でもない。ただ、何か大切な事が失われようとはしていないか?と危惧するばかりである。築地市場があっけなく更地にされてしまった様に。 

卸売市場法の改変にこだわるのは何故か

それは、私たちの従事する、「仲卸」は、卸売市場法第33条に定められた『仲卸必置原則』に基づく存在だからである。しかし、なんと新法にこの条は無い!これはどういう事だろうか、皆さんにも考えてほしい。

 今回はここに着目する

「仲卸必置原則」、日々当たり前に従事していて、改めて考える事がないが、私たちの仕事=「仲卸」とは一体何だろうか?

      市場=卸➕仲卸

 前回学習したように、中央卸売市場は「開設区域」を定めてその地方自治体が設置する公共施設である。例えば、全国の各都道府県に一つだけ卸売市場があると仮定すると、各都道府県の人口など需要の実情に基づいて、「卸」が生鮮食料品を市場に集荷(荷引)する。しかし、卸の直接小売は卸売市場法において禁止されている。それを「第三者販売の禁止」といい、販売先は市場の仲卸と買参人に限るという、卸売市場制度の根本規定がある。  一方、その市場に集められた生鮮食料品を区域の消費者の代行として買い受けること(競り)を開設者から許可された者が、「仲卸」である。仲卸もまた、開設区域内で直営の小売をしてはならず、また正当な理由の無い「直荷引」は法により制限され、「直荷引は禁止」と法律で定められていて、「卸」と「仲卸」の役割の違いと相補(必置)関係がある

      卸≠仲卸≠小売 という流通過程は開設区域内にとって公正な価格形成維持のため

 私たち仲卸の仕事は、区域内の様々な消費者へそれぞれ行き渡るために「集荷(卸)」されたものを「再分配(仲卸)」する役である。「卸」も「仲卸」もその卸売市場制度が担う公平公正な価格形成と維持という目的のために、開業には開設者からの業務許可が必要であり、販売に関する法的規制を守る責務を負う。

 今回の法律改変で、規制緩和の名の下、「卸」、「仲卸」が市場流通を通した価格形成と維持のために守っている規制が大幅に削除されている。これでは、卸の仲卸化、仲卸の卸化を招き、やがて卸売市場制度そのものが変わってしまうだろう。今後の取引規制の委細は、国一律の法律ではなく、各地方自治体の条例に移管される。くどい様だが、これまでの卸、これまでの仲卸、は通用しない事態がやって来る。この流れは何なのか?

こうして見ると、「開設区域の廃止」、「卸の第三者販売の容認」、「仲卸の直荷引の容認」、これまで取り上げてきた問題点は、卸売市場制度で相互不可欠な関係性が分かる。
   行政は旧態の市場流通の解放、改善の様に好意的に表現する。しかしこれ実に「卸売市場の仕組みの解体」に他ならない。何故解体したいのか、それはこれまでのチラシでも繰り返し訴えてきたことである。来年の6月21日を境に、全てが一変はしないが、この様な方向性で国政、都政が働いている以上、私たちが振り回されるのは必至だと注意を喚起したい。


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