今、請願署名に取り組む重要性について

卸売制度破壊=大手の流通独占で、生産者の買い叩き=地域経済破壊、消費者は安全で適正な価格の食料選択が不可能に!!

   卸売市場法「改正」は卸売市場制度廃止に等しい
   政府、財界から長年にわたり非難され邪魔もの扱いされ続けて来た卸売市場法。
 これが、昨年、財界の望んで来た通りの満額回答で「改正」されました。
 政府は「改正」したと言います。しかし、その内容を見れば一目瞭然、卸売市場制度の廃止です。
 何故なら、卸売市場が、農水産物の社会的な建値を示し、大手企業などによる価格の吊り上げや生産者に対する買い叩きを防止し、地域経済と地域生活の健全化に果たして来た根拠となる条文が丸ごと削除された、それが「改正」の真の姿だからです。
 卸売市場制度の要となる 「完全競争」による公正な価格形成のための仕組み(取引ルール)を、政府は「こんなものは要らない」捨て去ってしまったのです。

   なぜ、このような法「改正」がなされたのか
   何故政府はこのようなことをしたのでしょうか。既に多くの研究者から指摘されているように、政府は、今後エンジン全開で推進を狙っているTPP、FTA体制による多国籍資本と財界の更なる利益拡大の邪魔になるような法律を日本の法体系から全て放逐したいと考えているからです。
 それは卸売市場法ばかりではありません。
   種子法の廃止も漁業法改悪もそうです。そして更に森林経営管理法や水道民営化等々に見るように、庶民の、そして地域住民の自治に基づく財産を奪い取るような法律さえ、政府は作り続けています。
 しかし、そんなことをしたら国民の圧倒的多数が命と暮らし、雇用と就労の拠り処としている地域経済基盤が破壊されてしまうことに、政府は気付かないのでしょうか。
 政府も財界も知っています。知っていながら国会でさえ、この問題は真剣に議論されていません。
 この問題が放置され、TPP、FTA路線に代表される、いわゆる「新自由主義政策」の目白押しとなるならば、庶民には多国籍資本など大手企業の、切り捨て自由の安上がりの労働力となるしか生きて行くすべのない社会になってしまいます。この悪夢のような近未来が、刻々と私達に迫っています。

   地方自治の力で、公正公平流通のための現行の卸売市場業務条例を守ろう
 しかし、地域の農水産物を、全国各地の地域住民が、つまりは圧倒的多数の国民が、多国籍資本の収益拡大道具などにさせず、私達、地域生活者自身の手に、そして、地域経済活動の掌中でしっかりと生かし続ける方法が、私達には残されています。
 その一つ、それは地方自治の力です。卸売市場制度はその開設と運営は、そもそも、地方自治に委ねられるものだからです。そのため、それぞれの卸売市場は、各自治体の卸売市場業務条例によって、その取引のあり方、取引のルールを決める権限を持っています
 多国籍資本奉仕型への「改正」を主導した政府も、これを言葉少なに認めています。国が如何に法律を改正しようとも、地域経済に責任を持つ地方自治体が「うちの卸売市場は従来どおりの業務条例を変更せず、公正・公平な価格形成と流通の体系を維持する」と決めればそれで済むのです。
 今、卸売市場法の改悪に伴い、政府の指示で、全国の卸売市場ではその業務条例の見直し作業が、開設者を中心に進められています。しかし、その進め方はハッキリと業者の権利を無視したものです。多くの自治体は、あの小泉・竹中政権以降の流れの中で、政府への依存と従属度が高まり、その結果、地方自治権を更に侵食する悪法にでさえも、これに抵抗出来ない傾向がより強まっています。
 そのため、地方自治体自体の主人公である私達住民が、憲法の保証する住民自治権に基づき、自治体に対して、地方自治権に基づく、私達の命と暮らしのための自治を守ろうと呼びかけ、働きかけることが重要です。
 地方自治権とは、住民による自治、それに基づく地方公共団体としての自治の二つで構成されています。今こそ、私達は、「命と暮らしを破壊する『改正法』に、大切な私達の条例を従わせるなど、もってのほか、従来の公正流通のための条例は一言一句変える必要はない」という声をみんなで、それぞれの自治体に、地方議員達に集中しましょう。


   営業権・財産権に基づいて闘おう
 更に私達は、私達の公共施設である卸売市場の仲卸、卸などの業者の営業権、財産権に基づく業務条例見直し反対の闘いを支援し、共にそれに取り組むことも重要です。卸売市場の入場営業を許可された仲卸業者や卸売業者には、許可に基づく営業権・財産権があります。1971年から今日まで、卸売市場法や自治体の業務条例のルールに基づく営業、経営をして来た業者には、今回の改悪法のように、このルールの基本構造が抜本的に変えられ、それによって営業と経営が損害を受けざるを得ない事態となった場合、開設者である自治体には、憲法に基づき、許可業者達の納得と了解を取り付ける義務があります。そして、開設者がどうしても納得を取り付けられないとなったら強制収用の際と同様に、これらの業者全員に損失補償が必要となります。
 例えば今、築地市場正門前で、豊洲移転に反対する市場の業者とそれを支援する市民とで「営業権組合主催・お買い物ツァー」を毎週土曜日に取り組んでいます。これが営業権を前面に立てた、行政の強硬意見に対する営業権者の闘いです。東京都は何とかこの闘いをつぶそうと、不当な行政処分を掛けたりしていますが、憲法と法に基づく業者と都民の共同の取組みは、今も、整然と、元気に粘り強く続けられています。


   新自由主義」、多国籍資本から全国の農林水産業が狙われている今こそ、
  
  私達は憲法が保証する住民自治権、団体自治権を高く掲げて自治を守ろう

   卸売市場は、私達の郷土の宝、農林水産物を地域の加工・流通業をはじめとした様々な地域経済活動に、公正・公平につなげる役割を、今日も担い続けています。
 地域経済は、住民の命と暮らし、そして圧倒的国民の就労の場として機能しています。
 現在の地域経済と国家経済の在り方の最大の違いは、国民の住民の「共生のための経済」として機能する仕組みとなっているのかどうかにあります。
 「拡大する格差」と言われて久しいのですが、それをつぶさに振り返って見れば、ときおりマスコミも報じるように、国家経済に携わって恩恵を受けている者と、地域経済に依拠して生き続けている人々との間にこそ、それは広大に広がり続けていることが分かります。今こそ、私達はこの流れに歯止めを打ちましょう。「卸売市場業務条例は現行のままに」の声を広げましょう。 

卸売市場制度を守ろう!国 民 連 絡 会
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